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2015年6月12日 (金)

広谷喜十郎の歴史散歩 188

歴史散歩 エンコウとシバテン

 「えんこう」と並び、高知県でしか登場しない「妖怪・しばてん」について、両者を同じと考えている人が多い。そこで、両者の違いを簡単に述べたい。
 
「えんこう」について、橋詰延寿著『えんこうの話』(高知市観光協会)では、〈大きさは猿位、皮膚はヌラヌラ、赤褐色か黒青味、頭に皿、水が無くなると泣く。手は左右に貫通伸縮自在、指は長く、水かきがある〉との特徴があると述べられている。また、〈恩義を忘れない。人の言葉が解る。キリキズの妙薬(略)鹿の骨が大嫌い。ものすごい臭気、酒を飲む。牛や馬の力にはかなわないが性質はおとなしい〉等とも述べている。
 それに対して、「しばてん」については〈夕暮れ時に山道に出てくる。相撲を挑む。人間が負ける。シバテンは勝負事に強いマスコットにされる〉という。
 エンコウは、水の妖精であるのに対して、シバテンは川べりに棲んでいる。と、両者の違いは明らかである。
 これについて、橋詰氏は〈エンコウとシバテンの両方の優れたところをとって一つにしてしまった(略)水陸両棲の妖怪を創りあげた〉と指摘している。
 戦後、漫画家・川島三郎の「シバテン」が、新聞に連載されたり、高知放送の桜井健児司会の「シバテンクイズ」が話題になったりした。
 相撲を取るのが大好きな、カッパに似た男の子の妖怪・シバテンが土佐にいたそうです。

「しばてん音頭」を
作ろうという話題から生まれた新しい民謡です。
 ♫ こーれがねェ たまるかネ ゆうべの夢に ネート チャッ チャッ
好きなあの子の手を引いて おんしゃなんなら おらしばてーんよ
  おんちゃん相撲取ろ取ろーちや チャッ チャー
  ハッケヨイヨイ ハッケヨイヨイ コリャ ハッケヨイヨイ ハケヨイヨイ ソレ ノコッタノコッタ マダマダ ノコッタ ♫

 桂井和男氏は〈土佐山村では、旧暦6月7日之祇園の日 しばてんが川に降り、猿猴になると言い、この日キュウリを流し、子ども等の川遊びを禁じている〉(『高知県百科事典』)との説を紹介している。
 その他、市町村史の中には、変わった話も出てくる。これも妖怪話にありがちな話のように変化していく世界に繋がっている。
 シバテンは、芝天狗といわれる。山は山天狗が居り、川にいるエンコウと先号で紹介した「水天狗」がいたようにもなっているのである。


Dscf2012


Dscf2016

写真は、四万十町のカッパ館にて

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