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2013年9月27日 (金)

広谷喜十郎の歴史散歩 97

  ナギの木と熊野信仰

 高知市長浜の若宮八幡宮の境内に、ナギの大木がある。これが御神木で、この木を囲んで「五角絵馬掛け」が設けられている。〈梛の木は「力しば」といわれ、夫婦和合、諸願成就の信仰の対象となっていた。願いごとを絵馬に書き、五角絵馬にかけて祈念して下さい。不思議な力と勇気を与えてくれるという〉との説明板がある。

 安芸市伊尾木の町並みを抜け、しばらく東進すると、国道の中央部に「浪切り不動のナギの木」が大きく立ちはだかっている。国道拡張の折に、切り倒されようとなった。が、地元民の強い反対により残された。
 昔、広光金二という漁民が沖合に出て漁をしているうちに、嵐に遭い船が転覆した。金二は、船にしがみつき一心に不動尊を祈った。その時、何処からかナギの小枝が流れてきた。それの導きにより、無事に浜辺にたどり着いた。その後、金二は不動堂の近くに住み、堂守をしたと伝えられている。
 
 沢村明夫著「久礼田・熊野神社の変遷について」(「南国史談」4号)によると、南国市久礼田の熊野神社の近くに約10mのナギの木が2本あり、観音堂を挟むように立っている。
 江戸時代初期、北村藤兵衛夫婦が紀州の熊野神社参詣の折、神社の神木であるナギの枝を杖にして持ち帰った。地元の熊野神社の境内に突き立てておいたところ、その木から芽が出て、今の木になったと伝えられている。

和歌山県新宮市の速玉大社は、平清盛の弟・重盛が植えたという「千年ナギの木」(国天然記念物)を訪ねたことがある。京都の熊野若王子神社も、御神木はナギの木であり、「ナギの御守り」を出している。京都には、その名もずばり「梛神社」がある。ナギには疫病を防ぐ力があるとされ、祀られている。
 須崎市の「安和の大ナギ」(県天然記念物)は、目通りの周囲3.4m、樹齢推定500年の大樹である。
 ナギの葉は「力シバ」と言われ、なかなか引きちぎれないので「弁慶の力柴」と言われているという。

若宮八幡宮の境内のナギの大木 「五角絵馬掛け」

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