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2013年6月 5日 (水)

広谷喜十郎の歴史散歩 80

   土佐富士の朝峯神社
 
 最近の大きなニュースは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から「富士山」の登録を求める勧告がでたことであろうか。
 当初、政府は自然遺産として申請していた。昨年12月に、ユネスコ側から〈遺産の性格を明確にするためと称して名称の変更を〉求めてきた。そこで、日本側は、「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」に改めて再申請した。これにより、富士山は歴史的な深みのある内容を持つ、文化性の高い世界遺産の候補になった。
 標高3,776mの日本一高い富士山は、〈古くは『万葉集』や『常陸国風土記』に福慈(ふじ)、不尽などと記され、霊峰として崇められてきた。山そのものが神であるが、祭神は木花咲耶姫である(略)18回の噴火の記録があり、古代の人々は、これを鎮めるために(略)浅間大神として祀った〉(『神道事典』)とある。そして、富士の山宮から山麓に遷座され、大同元年(806)に浅間神社が創設された。
 更に、平安時代末期になると山岳信仰と習合し、富士登山が信仰の体現となったともいわれる。
 やがて、全国各地に「○○富士」の愛称の付けられた山々がみられるようになり、富士信仰が拡がって行く。

 高知県では、国道55号線の南国バイパスの介良通りに差し掛かると、すぐ右手に「介良富士」が見える。高知市役所刊行の高知市管内図では、「小富士」と記載されている。この山麓にある朝峯神社は、平安時代の『延喜式』に記載されている古社である。この神社の祭神は、富士山と同じ「木花佐久夜姫」という女性の神が祀られているので、安産祈願のために沢山の人が訪れる。
 毎年、酒造メーカーも新酒造りに際し、祈願に参るようだ。神社の裏手にある巨岩から清水が流れ出ている。神池であり、雨乞いの行事も行われる、農耕の神でもある。

 富士山は、四国地方だけでもいくつかある。徳島県の剣山系にある高越山(1,123m)が阿波富士。香川県の瀬戸大橋元にある飯野山(421m)が讃岐富士。愛媛県と高知県いの町の境界にある伊予富士(1,756m)がある。香川県には、讃岐富士を含め、7つの富士があるという。
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