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2012年4月10日 (火)

  広谷喜十郎の歴史散歩  19

   八十八夜と初カツオ

 「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が・・・」と、歌われる日は立春から数えて丁度88日目にあたる5月1日(今年は)である。
 南国土佐では、4月中旬にもなると、花が散り、田植えも始まっている。
 初夏は、駆け足でやって来る。
 また、この時季になると、土佐沖辺りのカツオ漁も本格化する。
 1本釣りによるカツオが百貨店前で街頭販売が行なわれた、という新聞記事を見ると、余計に夏が近づいた感がする。
 土佐では、初カツオと共に夏がやってくる。と、いう感が強い。
 平成18年度の総務省の統計「カツオの世帯あたり年間購入額」によると、
高知市が9,253円で、第1位、次に盛岡市が4,448円、水戸市が3,732円、福島市が3,700円、仙台市が2,797円などの順になっている。全国平均は、
1,696円で、5.5倍になっている。高知市民のカツオ好きが明らかになっている。
 また、ウドンやソバの出汁に使用される「宗田カツオブシ」は、全国の約8割が土佐清水市で生産されている。
 「県の魚」がカツオに選定されているのは、当然であろう。これだけカツオのお世話になっているから、高知県ではカツオでいかに盛り上げていくか。今後の検討課題であろう。
 十数年前、『土佐カツオ漁業史』の取材のため、鹿児島県枕崎市を訪れた。ここでは、カツオで町興しを考えていた。いたる所にカツオのぼりが揺れ、カツオ街通りなど、町中カツオ尽しであった。
 カツオ節が中世の武士たちの戦場での携帯品になり、「勝男武士」と呼び、戦いの勝利を祝う目出たい魚として祝宴の席に供えられる習いがあった。この考えは、古代からもあり、朝廷における祭事や伊勢神宮の神饌として用いられていた。それに、各地の神社で本殿の屋根の押さえ木として利用されているカツオ木をよく見かける。
 現代でも、婚礼の結納品の一つに「松魚節」と書いている。これは、カツオ節が松の根っ子の様に、堅く色合いが似ているし、「松竹梅」の縁起もよい。「勝男節」と書かれたものもある。男性の力強さを表現したものである。
 吾川郡いの町の「草流舎」では、大きなカツオを背負った「カツオ担ぎ童子」の人形を製作している。熊を引き連れマサカリ担いだ金太郎のように、たくましく育ってもらいたいとの製作者の意図が強く伝わってくる。
*** 写真は、富山県氷見市の道路にあったマンホールの蓋。
氷見港は、主にブリの水揚げが多い。宗田カツオも水揚げされるようだ。
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