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2012年3月11日 (日)

広谷喜十郎の歴史散歩 12

    仙台屋桜と牧野富太郎 
 少し暖かくなり、開花予想が話題になる季節。山の空気もうっすら桜色を帯びてくる。
 花が咲く中で、いつも気になる桜がある。それが、「仙台屋桜」と命名された桜の木である。園芸家・武井近三郎氏が『牧野富太郎からの手紙』(高知新聞社刊)の中で、〈佐伯さんという人が仙台から移住してきて、中須賀で仙台屋という屋号で商売を始めたのですが、その屋敷の庭へ移植した桜です。花の色が濃くて美しく開花期には藩主山内家に差し上げたと言われています。近くの住民が花が美しいので「仙台屋の桜」と名付けた〉との由来を述べている。この桜は、佐伯さんの郷里・宮城県の「ベニヤマザクラ」であろうとされている。
 牧野博士は、この花がとてもお気に入りだったようである。昭和25年頃、武井氏宛に〈高知市中須賀にセンダイヤザクラが今でも残っておれば高知の名物の桜にするべし〉と、書き送っている。昭和28年の手紙でも、〈仙台屋ザクラの苗木、接木ができましたなら其苗木を御送り下さいますれば大幸に存じます。昨年御恵みの牡丹ザクラと並べて植え我庭の銘木にしたいと存じます〉と、苗木の無心をしている。
 その後もこの桜にこだわり、武井氏もあきれる程繰り返し手紙を寄せている。
 数年前、私の仙台屋桜の記事を見た東北地方にある植物園から、高知市広報係を通じて、全国の桜花の展示に引用したいと、了解を求めてきた。
 その頃作成された「旭新発見ガイド」によると、5カ所にこの桜の存在が確認されていた。福井町方面を含めると、かなりの場所に植栽されている。(旭町3丁目電停前のマンションの桜が見やすい。未だ木は小さいが、)
 牧野植物園には、大木があり毎年見事な花を咲かす。
 近年、「天狗の巣病」にかかり、花をつけない桜が目につくようになった。仙台屋桜などの山桜系の木が注目され、育成しようとの動きも起きている。     

 東日本大震災の被災地の津波が到達した地点に桜を植えてつなぐプロジェクト「桜ライン311」に協力しようと、募金で購入した桜の木が岩手県陸前高田市に送られた。

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