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2012年3月27日 (火)

広谷喜十郎の歴史散歩 16

    花祭りと大福茶(1)

 4月8日は、仏教の開祖・お釈迦さまの誕生日である。寺院では、たくさんの花々で飾った花御堂を設けて
釈迦誕生仏を安置する。参詣者は、甘茶を注いで拝む。インドの伝説によると、釈迦の産湯のために、
八大龍王が冷熱二筋の水滴を天上から流したとされる。
 参詣者は、甘茶を小さな容器に頂き、家に持ち帰る。家族皆で、分けて飲む習慣になっている。甘茶は、
ガクアジサイの変種アマチャの若葉をもみ、乾燥させたもので、それを煎じて作ったものである。
 我が家では、近所にある朝倉の高蓮寺に参り、「天上天下唯我独尊」の誕生仏に甘茶をかける行事に参加する。
「天上天下唯我独尊」とは、生命1つ1つが等しく尊いという意味だそうである。

 土佐の年中行事と茶の関係を調べると、花祭りとの繋がる行事がある。
 『吾北村史』によると、正月の若水迎えでは、邪気を祓い、福の願いを込めた「大福茶」を飲んでいたとある。
さらに、旧暦4月8日の花祭りの日、新茶を摘み、翌年の正月に飲むという風習もあったという。
 いの町吾北地区の国友農園では、香気高い山茶を「りぐり山茶」として復活した。(注・りぐりとは、念を入れた、吟味したという意味を持つ土佐弁「りぐる」。りぐってあるの意。)
この方法を用いて、「御大師様の大福茶」とした。 「りぐり山茶」の生まれた柳野地区では、ミニ八十八ヵ所巡りなど、弘法大師信仰が深く浸透している。季節感を大切にしつつ、家族の無事を祝い、祈る行事が残されている。
 縁起めでたいお茶をいただき、心豊かなひと時を持つことも大切であろう。

 大福茶について、『日本国語大辞典』(小学館)に、〈一年中の悪気を払い、縁起を祝う。村上天皇が疫病に悩まされたとき、茶を飲んで平癒された故事から「王福茶」と表記する〉とある。
 平安時代中期、都で疫病が流行り、人びとが苦しんでいた。空也上人が、祇園の地で釜をかけ茶を煎じ、梅干しと昆布を入れた茶を飲ませたところ、多くの人が全快したという話も伝わっている。Dscf1360


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コメント

広谷先生御無沙汰しています。
大福茶の事をのせて頂いてとても嬉しいです。
お大師様のお力か、お大師茶は、東京の青山や銀座、二子多摩川、名古屋にまで販売が広がっています。ありがとうございます。
又ご一緒させてくださいね。

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