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2012年2月10日 (金)

広谷喜十郎の歴史散歩 6

   雛流し

 和歌山市加太の淡島神社を訪ねたことがある。奉納されたものすごい量の人形が、朱塗りの神殿
の内外にあふれていた。雛蔵にも古い人形が保存されていると言う。紀州・徳川家から奉納された
貴重な人形もあるという。
 この神社は、医業の祖神・少彦名命を祀り、婦人病治癒や安産祈願の参拝者が多い。参道には
たくさんの土産物屋が並んでいる。
 毎年の三月三日には、「雛流し」の行事が行われる。全国各地から寄せられた約2万体もの人形を白木の船に
乗せ、桃の花・菜の花・千羽鶴で飾り付け、この浦から船出さす。
 『現代こよみ解き事典』(柏書房)によると、〈三月三日の夕、節句の行事が終わると、人形を川や海へ流し、穢れを祓った。(略)災厄を人形に託して流すという雛祭りの原型を伝えている〉とある。
 民俗学者・高木啓夫氏の『土佐の祭り』(高知市民図書館刊)のなかで、高岡郡津野町葉山の三島神社の「人形流し」を紹介している。祓清式で〈総代たちはまず塩を口にやり、人型紙に米と苧麻を包み(略)姫野々川の宮の瀬〉へ行き、〈注連縄の前にある筵に座し、人型紙に息を吹きかけ、両腕、顔など全身に触れさせてから人型紙を川に流す〉と、説明している。
 この儀式が、後の雛流しに繋がっている。
 高知市はりまや町、江ノ口川沿いにある神明宮の脇に、子守り神社がある。そこには、〈人にとってあらゆる生産の根源である水の神秘性生命力への信仰は(略)やがて五穀豊穣、商売繁盛と身籠り子守の神の二属性をかねもつ信仰となり伝承された〉との由来を示す石碑が建てられている。
 ここにも、安産祈願を祈り、人々が人形を奉納している。 

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